少年野球で子どもが試合に出られないとき。親が監督に聞いていいこと、聞いてはいけないこと
毎週の練習に通っているのに、試合になるとベンチに座ったまま。終わってみれば打席が一度も回ってこなかった。
子どもが試合に出られない状態が続くと、親として黙って見ているのはつらいものです。
私は学童野球でコーチをしています。この記事では、起用を決める側にいる立場から、監督がどう起用を決めているのかと、そのとき親が監督に聞いていいこと、聞かないほうがいいことを書きます。
結論:「なぜ」ではなく「何ができれば」を聞く
一番やってはいけないのは、「なぜうちの子を使ってもらえないのか」と指導者に抗議することです。
一方で、「何ができるようになったら試合に出られますか」と聞くのは構いません。 抗議ではなく相談になるからです。そして、その答えがそのまま子どもの練習の目標になります。
同じ「試合に出たい」という気持ちでも、聞き方ひとつで結果がまったく変わります。
監督は何を見て起用を決めているか
まず、起用がどう決まっているかを知っておくと、見え方が変わります。
学童野球は6イニング制で、時間制限もあります。1試合で自チームに回ってくる打席は20〜30程度しかなく、出場の枠そのものが限られています。その中で、監督はだいたい次のように考えています。
試合によって、勝ちに行くか育成するかを分けている
公式戦や負けたくない相手との試合は、勝ちに行きます。練習試合や交流戦では、普段出ていない子を使って試します。出られないのが勝ちに行く試合だけなら、チームとしては自然な判断です。
勝ちに行く試合では、その場面に強い子を使う
勝負どころでは、「この場面ならこの子」という選び方をします。うまい順に並べているというより、場面に合う長所を持っているかで選んでいます。
起用の考え方は、指導者向けの記事にも書いています。
控えの子に出番が回ってくる場面
スタメンに入れなくても、試合に出るチャンスはあります。特に終盤です。
- 代走:足が速く、走塁に自信がある子
- 守備固め:守備が安定していて、ミスが少ない子
- 代打:塁に出る力があって、見逃し三振が少ない子
どれも、長所がひとつはっきりしている子から使われます。全部が平均的にできる子より、ひとつ光るものがある子のほうが、監督は使う場面をイメージしやすいからです。
代走をどう判断しているかは、こちらに詳しく書きました。
抗議が逆効果になる理由
「なぜ使ってくれないのか」と抗議しても、状況はまず良くなりません。
監督は、抗議されて起用を変えることができない
抗議を受けて起用を変えれば、抗議した家庭の子だけが優遇されたことになります。他の家庭との関係が崩れるので、監督としては変えられません。
子どもが一番困る
親が監督と揉めている状態で、その子はチームにいづらくなります。本人は試合に出たいだけなのに、居場所のほうが悪くなってしまいます。
子どもが自分で向き合う機会がなくなる
出られない理由に子ども自身が向き合う前に、親が引き取ってしまいます。
「何ができるようになったら出られるか」は聞いていい
一方で、この質問は親が聞いて構いません。
本当は子ども本人が監督に聞けるのが一番ですが、小学生が自分から監督にそれを聞くのは難しいものです。だから親が代わりに聞く。抗議ではなく、子どもの目標を知るための相談です。
監督も、この質問なら具体的に答えられます。「打球に対して一歩目が遅い」「キャッチボールで送球がそれる」「バットを振る前に見送ってしまう」。答えが具体的であるほど、家での練習で何をすればいいかがはっきりします。
聞くタイミングは、試合の直後は避けたほうがいいと思います。結果が出たばかりの場面だと、どうしても抗議に聞こえやすいからです。
親ができること
監督から聞いた課題をもとに、長所をひとつはっきりさせる手伝いをすることです。
足が速いなら、走塁の練習。守備が課題なら、キャッチボールの相手。打撃なら、ボールをよく見る練習。全部を一度に伸ばそうとせず、ひとつに絞るほうが、監督の目にも変化が届きやすくなります。
ボールを怖がっていることが原因なら、慣れさせ方があります。
よくある質問
監督に話を聞くのは失礼になりませんか?
「何ができるようになったら出られるか」という聞き方なら、失礼にはなりません。むしろ、子どもの目標をはっきりさせたいという相談として受け取ってもらえるはずです。
チームとして全員を出す方針なのに、うちの子だけ出られません
まず、出られていないのがどの試合なのかを見てください。勝ちに行く試合だけなら、方針の範囲内の可能性があります。練習試合でも出られていないなら、「何ができるようになったら」を聞いてみてください。
打順を下げられたのは、評価が下がったということですか?
そうとは限りません。打順は「うまい順」ではなく、誰に何打席与えるかの配分で決めている監督も多いからです。