少年野球のスコアブック集計方法。項目を5つに絞れば1試合5分で終わる
スコアブックはつけている。でも、ノートに溜まっているだけで何にも使っていない。
学童野球のチームでは、これが一番よくある状態だと思います。集計しようとして一度は挑戦したものの、打席数と打数の違いを調べているうちに面倒になって止まった、という経験がある方も多いはずです。
原因は明確です。集計しようとしている項目が多すぎます。
この記事では、集計する項目を5つに絞ります。そのうえで、1試合あたり5分程度で終わる手順を書きます。
結論:集計するのはこの5つだけ
| 項目 | 意味 |
|---|---|
| 打席数 | 打席に立った回数 |
| 出塁数 | 安打と四死球の合計 |
| 三振数 | 見逃しも空振りも区別しない |
| 守備機会 | 自分のところに飛んできた打球の数 |
| 失策 | エラーの数 |
これだけです。打点、盗塁、犠打、長打率、残塁。全部捨ててください。
捨てる理由は、使わない数字を集めても判断が1つも変わらないからです。集計は続けることに価値があるので、続けられる量まで削るのが先です。
なぜ打率ではなく出塁率なのか
一番大きな変更点がここです。打率を計算するのをやめて、出塁率だけを見ます。
打率は四死球を分母から除きます。つまり「四球で出塁した打席は、なかったことにする」という計算です。プロ野球ではそれでも打者の能力を測れますが、学童野球では事情が違います。
学童野球は四球が多く出ます。投手の制御が未熟で、ストライクゾーンも狭い。四球で出塁している子の貢献が、打率では丸ごと消えてしまいます。
チームの得点は、誰かが塁に出ることから始まります。塁に出た手段は関係ありません。だから出塁率を見ます。
この記事では、計算を簡単にするために次の式を使います。
出塁率 = 出塁数 ÷ 打席数
厳密な出塁率は犠打などを分母から除きますが、学童野球で判断を変えるほどの差は出ません。分母を打席数のままにすると、集計が一気に楽になります。
手順1:スプレッドシートを「打席ごとの記録」にする
ここが最大のコツです。多くの人が最初に作るのは、選手を縦に並べて成績を横に書く「成績表」の形です。これは失敗します。試合が増えるたびに手作業の足し算が発生するからです。
代わりに、1行が1打席の表を作ります。
| 日付 | 相手 | 選手 | 打順 | 結果 | 守備位置 |
|---|---|---|---|---|---|
| 9/13 | ○○ジャイアンツ | A | 1 | 安打 | 遊撃 |
| 9/13 | ○○ジャイアンツ | B | 2 | 三振 | 二塁 |
| 9/13 | ○○ジャイアンツ | C | 3 | 四死球 | 一塁 |
| 9/13 | ○○ジャイアンツ | D | 4 | 凡打 | 投手 |
結果の欄に入れるのは4種類だけです。
- 安打
- 四死球
- 三振
- 凡打(それ以外のアウト全部)
ゴロかフライか、どこへ飛んだか、記号が何か。一切書きません。この4分類で、必要な5項目のうち3つが自動で計算できます。
入力はプルダウンにしておくと速くなります。スプレッドシートなら「データ」→「データの入力規則」でリストを設定できます。
手順2:集計は数式に任せる
別のシートに選手名を縦に並べて、次の式を入れます。データを入力したシートの名前を 打席 としています。
打席数
=COUNTIF(打席!C:C, A2)
出塁数
=COUNTIFS(打席!C:C, A2, 打席!E:E, "安打") + COUNTIFS(打席!C:C, A2, 打席!E:E, "四死球")
三振数
=COUNTIFS(打席!C:C, A2, 打席!E:E, "三振")
出塁率
=IFERROR(C2/B2, "")
一度入れてしまえば、あとは打席のシートに追記するだけで全部の数字が更新されます。足し算を手でやる場面が二度と来ません。
守備機会と失策は打席の記録とは別軸なので、同じ形式でもう1枚シートを作るか、打席シートに列を足して守備側も記録します。最初は打撃の3項目だけで始めても構いません。
手順3:所要時間を測ってから続けるか決める
学童野球の1試合は7イニング制で、両チーム合わせた総打席は概ね30前後です。自チーム分だけなら15前後。プルダウン入力なら、慣れれば5分前後で終わる分量です。
ただしこれは目安なので、最初の3試合は所要時間を実測してください。 15分かかるなら項目が多すぎます。さらに削ってください。
集計は「正しくやること」より「来年も続いていること」のほうが価値があります。
よくある失敗
過去のスコアブックを遡ろうとする
やめてください。溜まった分を入力しようとして力尽きるのが、一番多い失敗です。今日の試合から始めて、過去は捨てます。
完璧な記録を目指す
記号や細かい打球方向を残したくなりますが、それを見て判断を変える場面は来ません。判断に使う数字だけを残します。
個人の順位表にして配る
打率順に並べた表を配ると、子どもと保護者の両方が傷つきます。成績表は名簿順に並べて、前回との比較で見せるほうが安全です。
集計した数字は何に使うのか
出塁率が出ると、打順を数字で組めるようになります。そして、全員出場と勝利のどちらを取るかという判断に、初めて根拠が入ります。
この記事の形式をそのまま使えるスプレッドシートのテンプレートは、別途用意して公開する予定です。まずは上の表をコピーして、今日の試合から始めてみてください。