少年野球でボールを怖がる子への対応。まず何が怖いのかを確認する

ボールを怖がる子がいます。飛んでくる打球から体をよける。グラブを出すのが遅れる。捕れずに後ろへ逸らす。

「この子は怖がりだから」で片づけてしまいがちですが、怖がる理由は1つではありません。 原因が違えば、対応もまったく違います。

まず、何が怖いのかを確認する

最初にやるのは原因の特定です。怖がり方を見ていると、だいたい次のどれかに分かれます。

  • 速さが怖い
  • 当たると痛いのが怖い
  • 捕れなかったらどうしようという不安
  • 捕れないと怒られるのが怖い

このうち最初の3つは、練習で慣れさせることができます。4つ目だけは性質が違います。後で詳しく書きます。

速さが怖い子

ボールのスピードそのものに体が反応してしまう子です。

速度を落とした山なりのキャッチボールから始めます。 速いボールを何球も受けさせても、慣れる前に怖さが上塗りされるだけです。捕れるスピードで成功体験を積ませて、少しずつ速くしていきます。

痛いのが怖い子

一度体に当たって痛い思いをした子は、次からボールを避けるようになります。

柔らかいスポンジボールで練習させます。 当たっても痛くないボールなら、体を寄せて捕る動きが身につきます。怖さの原因である痛みを取り除いた状態で、正しい捕り方を先に覚えさせる順番です。

捕れないのが不安な子

技術に自信がなくて、失敗することが怖い子です。

これは練習で捕れるようになれば、自然と消えていきます。ただし失敗したときの周りの反応が大きく影響します。次の話に繋がります。

一番まずいのは「怒られるから怖い」

捕れないと怒られるから、ボールが怖い。

速さも痛みも、練習で慣れさせることができます。でもこれは違います。原因が子どもの側ではなく、大人の側にあるからです。子どもにいくら練習させても直りません。

そして厄介なのは、これがその子の適性の問題に見えてしまうことです。ボールを怖がる、だから捕手は無理、三塁も無理。そうやって選択肢が狭められていきます。本当の原因は別のところにあるのに。

見分け方

この状態の子は、見れば分かります。

捕れなかったときに、悔しがるより先に大人の顔色を見ます。

速さや痛みが怖い子は、捕れなかったらボールを追いかけるか、悔しがります。意識がボールに向いています。怒られるのが怖い子は、失敗した瞬間に意識が大人に向きます。

この反応が見えたら、その子に必要なのは練習量ではありません。

見分けたあとにできること

この記事では、誰が怒っているのかを責める話はしません。指導の方針はチームによって違います。

ただ、その子の「怖がり」を適性の問題として扱わないでください。 ボールへの反応は、原因が取り除かれれば変わる可能性があります。捕手や三塁の候補から外すのは、その後でも遅くありません。

そして、失敗したときに声をかけるなら、結果ではなく次の動きの話をすることです。「なんで捕れないんだ」ではなく「次は体の正面で捕ろう」。これだけで、失敗の直後に子どもの意識が向く先が変わります。

それでも怖がる子もいる

原因を確認して、慣れさせる練習をして、それでも怖がる子はいます。

ボールに向かっていけるかどうかは、最終的には本能に近い部分です。練習してもどうにもならない子は、実際にいます。 その場合は、別の長所を活かせる場所を一緒に探します。

ただ、「この子は本能的に無理だ」と判断するのは、原因を1つずつ確認したあとです。最初から決めつけると、慣れれば捕れるようになった子まで取りこぼします。

関連する記事

ボールを怖がらないことは、捕手と三塁で特に重要になります。

→ 学童野球で捕手は何人育てるべきか

→ 少年野球のポジションの決め方。適性より先に聞くこと